University of Minnesota

1990年障害を持つアメリカ人法(ADA)



第1条 略称、目次  
(a) 略称  この法律は「1990年障害を持つアメリカ人法」(Americans With Disabilities Act of 1990)と呼称することができる。

(b) 目次  目次は以下のとおりである。
第1条 略称、目次
第2条 事実認定と目的
第3条 定義
  第I章 雇用
第101条 定義
第102条 差別
第103条 抗弁
第104条 薬物の不法使用及びアルコール
第105条 告知の掲示
第106条 施行規則
第107条 施行
第108条 施行期日

 (中略)

第2条 事実認定と目的  
(a) 事実認定   議会による事実認定は以下の通りである。
(1) 約4,300万人のアメリカ人が1つ以上の身体又は精神の障害を有しており、この数字は、人口が全体として高齢化するにつれて増大しつつある。
 
(2) 歴史的にみて、社会は障害者を孤立し分離させる傾向がこれまであり、多少の改善がみられるにもかかわらず、このような形態の障害者差別は、依然として重大かつ広範囲にわたる社会問題となっている。
 
(3) 障害者に対する差別は、雇用、住宅、公共的施設、教育、輸送、通信、レクリエーション、施設への収容(institutionalization)、保健サービス、投票、公的サービスへのアクセスといった極めて重要な分野において依然として続いている。
 
(4) 人種、肌の色、性別、出身国、宗教、年齢による差別を経験してきた人々とは異なり、障害による差別を経験してきた人々には、このような差別を是正するための法的な手だてがない場合が多かった。
 
(5) 障害者は、絶えず、次のような種々様々の形態での差別に絶えず遭遇している。公然たる意図的な排除、建築物、輸送、通信におけるバリアの差別的な影響、過保護の規則や政策、既存の施設や慣行を変更しないこと、排除的な資格基準と要件、分離(segregation)、より低位なサービス、プログラム、活動、恩恵(benefits)、職業その他の機会の押しつけ(relegation)がそれである。
 
(6) 国勢調査データ、国民世論調査、及びその他の調査研究は、障害者が、集団として、我々の社会の中で劣った地位を占め、社会面、職業面、経済面、教育面で重大な不利益をこうむっていることを示してきた。
 
(7) 障害者は、分離され孤立したマイノリティであり、制約と制限に直面させられ、意図的な不平等待遇の歴史に服し、我々の社会において政治的に無力な地位に押し込められてきた。それは、個人にはコントロールできない特質と、社会に参加、貢献する能力を真には示してはいない固定画一的な仮定の結果である。
 
(8) 障害者に関してアメリカにふさわしい目標は、障害者に機会均等、完全参加、自立生活、経済的自足(economic self sufficiency)を保障することである。
 
(9) 依然として存在している不公平で不要な差別と偏見が、均等な立場で競争を行い、我々の自由な社会の名を然るべく高らしめている諸々の機会を追求する機会を障害者に与えず、また、依存性と非生産性に起因する何十億ドルもの不必要な出費をアメリカに負担させている。

(b) 目的   本法律の目的は以下の通りである。
(1) 障害者に対する差別をなくすための明確かつ包括的な国家的命令を設けること。
 
(2) 障害者に対する差別に対処する明確で強力な一貫性のある施行可能な基準を設けること。
 
(3) 本法律で定められた基準を障害者のために施行することについて、連邦政府が中心的な役割を果たすことを保証すること。そして、
 
(4) 障害者が日々直面する主要な差別の分野に対処するため、憲法修正第14条を施行し通商を規制する権限を含む、議会の権限を総動員すること。

第3条 定義
 本法律での用法。
(1) 補助手段及びサービス(Auxiliary Aids and Services)  「補助手段及びサービス」という用語には、以下が含まれる。
(A) 有資格の通訳、若しくは音で伝えられた情報を聴覚障害者に伝わるようにするためのその他の有効な方法
(B) 有資格の朗読者、録音テープ、若しくは目で見える形で伝えられた情報を視覚障害者に伝わるようにするためのその他の有効な方法
(C) 機器又は装置の取得若しくは改造
(D) その他の同様のサービス及び活動

(2) 障害  「障害」という用語は、個人に関して以下を意味する。
(A) 個人の主な生活活動の1つ又は複数を著しく制限する身体的又は精神的な障害(impairment)
(B) そのような障害(impairment)の記録 又は、
(C) そのような障害(impairment)をもっているとみなされること

(3) 州   「州」という用語は、各州、コロンビア特別区、プエルトリコ、グアム、アメリカ領サモア、バージン諸島、太平洋諸島信託統治領、及び北マリアナ諸島を指す。


第I章 雇用

第101条 定義
本章での用法。
(1) 委員会   「委員会」とは、1964年公民権法第705条(42 U.S.C.2000e-4) によって設置された雇用機会均等委員会(Equal Employment Opportunity Commission)をいう。

(2) 適用対象事業者(Covered Entity)   「適用対象事業者」とは、事業主、職業紹介機関、労働組合、労使合同委員会(joint labor management committee)をいう。

(3) 直接的脅威(Direct Threat)   「直接的脅威」とは、合理的配慮によっても除くことのできない、他者の健康又は安全への著しいリスクをいう。

(4) 従業員(Employee)   「従業員」とは、事業主によって雇用された者をいう。外国での雇用においては、この用語は合衆国の市民である者を含む。

(5) 事業主(Employer) 
(A) 原則  「事業主」とは、当暦年又は前暦年の20週以上の各週の各労働日に15名以上の従業員を有する、通商(commerce)に影響を及ぼす産業に従事している人、及びかかる人の代理人をいう。ただし、本章の施行日以後2年の間は、事業主とは、当暦年又は前暦年の20週以上の各週の各労働日に25名以上の従業員を有する、通商に影響を及ぼす産業に従事している人、及びかかる人の代理人をいう。
(B) 例外  「事業主」という用語は以下を含まない。
(i) アメリカ合衆国、アメリカ合衆国政府が完全所有する法人、又はインディアン部族
(ii) 1986年内国歳入法(International Revenue Code of 1986) 第501条(c)項のもとで課税を免除される私的会員制クラブ(労働組合を除く)

(6) 薬物の不法使用(Illegal use of Drugs) 
(A) 原則  「薬物の不法使用」とは、規制物質法(Controlled Substances Act)(21 U.S.C.812)のもとで非合法とされている薬物の使用、所持又は配布をいう。この用語は、免許を持つ健康管理の専門家の監督下での薬物使用、又は規制物質法若しくは他の連邦法の規定により認められた使用を含まない。
(B) 薬物  「薬物」とは、規制物質法第202条の別表I~Vで定義されている規制物質をいう。

(7) 人(person)、その他   「人」、「労働組合」、「職業紹介機関」、「通商」、「通商に影響を及ぼす産業」といった用語は、1964年公民権法第701条(42U.S.C.2000e)でこれらの用語に与えられたものと同じ意味をもつ。

(8) 適格障害者(Qualified Individual with a Disability) 
「適格障害者」とは、合理的配慮の有無にかかわらず、当人が現在就いているか又は希望する雇用上の職位(position)の本質的機能を果たすことのできる障害者をいう。本章の目的においては、職務のどの機能が本質的であるかという事業主の判断は重視される。もし、事業主が応募者の募集又は面接の以前に文書での記述を準備している場合には、この記述が職務の本質的機能であるという証拠としてみなされる。  施行規則1630.2(m)

(9) 合理的配慮(Reasonable Accommodation)
 「合理的配慮」という用語には以下の意味が含まれる。
(A) 従業員によって使用されている現存する施設を、障害者にとって容易にアクセスできかつ使用可能にすること
(B) 職務の再編成、パートタイム化又は労働時間の変更、空席の職位への配置転換、機器又は装置の取得又は改造、試験、訓練教材又は方針の適切な調整又は変更、有資格の朗読者又は通訳の提供、及びその他同様の障害者のための配慮。

(10) 過度な困難(Undue Hardship)
(A) 原則   「過度な困難」とは、(B)に掲げる要因に照らして著しい困難又は費用を伴う措置をいう。
(B) 考慮されるべき要因   配慮が適用対象事業者に過度な困難をもたらすことになるかどうかの判断に際して考慮されるべき要因には以下のものがある。
(i) 本法律のもとで必要とされる配慮の性質と費用。
(ii) 合理的配慮の実施に関わる1又は複数の施設全体の財源。その施設の雇用者数。支出と財源に及ぼす影響。施設の運営に配慮が与えるその他の効果。
(iii) 適用対象事業者全体の財源。従業員数を考慮した適用対象事業者の全体的事業規模。施設の数、種類及び位置。
(iv) 労働力の構成、構造、機能を含む、適用対象事業者の事業の種類。適用対象事業者としての該当する施設又は施設間の地理的な遠さ、支配又は財務上の関連性。

第102条 差別
(a) 原則   いかなる適用対象事業者も、応募手続、従業員の採用や昇進、解雇、報酬(employee compensation)、職業訓練、及びその他の雇用上の規定、条件及び特典に関して、適格障害者を障害を理由として差別してはならない。

(b) 解釈   上記(a)で用いられている「差別」という用語には以下の意味が含まれる。
(1) 応募者又は従業員を、その障害を理由として、その応募者又は従業員の機会又は地位に不利な影響を及ぼす方法で制限、分離、又は分類すること。

(2) 適用対象事業者の適格で障害を持つ応募者又は従業員を、本章で禁じられた差別にさらす効果をもつ契約等の協定又は関係に関与すること。(かかる関係には、職業紹介機関、労働組合、適用対象事業者の従業員に福利厚生を提供している機関、若しくは訓練及び養成プログラムを提供している機関との関係が含まれる)。

(3) 以下のような管理の標準、基準、方法を利用すること。
(A) 障害に基づく差別を引き起こすもの。
(B) 共通の管理下にある他の人々の差別を永続的にするもの。

(4) 適格である者が関係又は交際をもっていることが知られている者が有する既知の障害のゆえに、その適格である者に対して、均等な職務又は利益を排除すること、又は拒否すること。

(5)   
(A) その他の点では適格である応募者又は従業員の既知の身体的、精神的制限に対して、合理的配慮を行わないこと。ただし、合理的配慮が、適用対象事業者の事業の運営に過度な困難をもたらすことを適用対象事業者が実証可能な場合はその限りではない。
(B) 従業員又は応募者の身体的、精神的障害に対して合理的配慮を行う必要があることを理由に、適格障害者である応募者又は従業員に雇用機会を与えないこと。

(6) 障害者又は障害者集団を排除するか、若しくは排除する傾向のある(tend to) 資格基準、採用試験やその他の選考基準を用いること。ただし、適用対象事業者によって使用される資格基準、試験又はその他の選考基準が当該地位の職務に関連したものであることが証明され、かつ、事業上の必要性に合致したものである場合にはその限りではない。

(7) 感覚、手作業、又は発話技能が損なわれた障害をもつ応募者又は従業員に試験を実施する際に、以下を保障するよう最も効果的な方法によって、雇用に関する試験を選択し実施することを怠ること。試験は、応募者又は従業員の損なわれた感覚、手作業、発話技能を反映するものではなく、その試験が測定することを目的としている技能、適性、その他の要素を、結果が正確に反映するものであること。(ただし、その技能が、試験が測定しようとする要素そのものである場合は除く)。  施行規則1630.11

(c) 外国における適用対象事業者
(1) 原則  適用対象事業者が本条の義務に従うことが、職場が存在する外国の法律に違反することになる場合には、本条に従えば差別となるような行動を外国の職場においてその従業員に関して行っても、この条における違反とはならない。

(2) 企業の管理
(A) 推定  事業主が設立場所が外国であるような企業を管理している場合は、この条において違反となるような行動がそのような企業により行われた場合、その事業主により行われたものと推定される。
(B) 例外  合衆国の事業主の管理下にない外国の事業主によって行われた国外での運営(operation)は、この条の適用対象ではない。
(C) 決定  この節の目的においては、事業主が企業を管理しているかどうかの決定は以下に基づく。
(i) 運営の相互関係
(ii) 経営の共通性
(iii) 労使関係の中央集中管理。及び
(iv) 事業主とその企業との所有の共通性又は財源管理

(d) 医学的検査及び調査   施行規則1630.13  施行規則1630.14
(1) 原則   上記(a)で言及されている差別の禁止には、医学的検査と調査が含まれる。

(2) 採用前 
(A) 禁止される検査又は調査   下記(3)で規定されている場合を除き、適用対象事業者は、医学的検査を行ったり、応募者又は従業員について、その応募者又は従業員が障害者であるかどうかに関して、あるいはその障害の性質や程度に関して、調査を行ってはならない。
(B) 認められる調査   適用対象事業者は、職務に関連した機能を遂行する応募者の能力に関して、採用前に調査を行うことができる。

(3) 採用時の医学的検査   適用対象事業者は、以下の場合には、応募者への採用提示以後、かつ、応募者が職務を開始する以前に、医学的検査を義務付けることができ、また、その医学的検査の結果を採用提示の条件にすることができる。
(A) 障害の有無にかかわらず、採用される従業員のすべてがその医学的検査をうけなければならないこと。
(B) 応募者の健康状態や病歴に関して得られる情報が、個別の書式で個別の医療ファイルに収集、保管され、かつ、秘密の医療記録として扱われること。
 ただし、以下の場合を除く。
(i) 監督者や管理者は、従業員の仕事や義務に対して設ける必要のある制限及び必要な合理的配慮に関して情報を得ることができる。
(ii) 救急医療及び安全担当職員は、必要な時に、障害が緊急治療を要するものであるかどうかについて情報を得ることができる。
(iii) 本法律の遵守に関して調査する政府当局者は、請求により関連情報の提供を受ける。
(C) 医学的検査の結果が本章に従った形でのみ使用されること。

(4) 医学的検査及び調査 
(A) 禁止される医学的検査及び調査   適用対象事業者は、医学的検査を実施又は義務付けしてはならず、また、従業員について、その従業員が障害者であるかどうかに関して、あるいは障害の性質や程度に関して、調査を行ってはならない。ただし、医学的検査や調査が職務に関連したものであって事業上の必要性に合致したものであることが証明される場合はその限りではない。
(B) 認められる医学的検査と調査   適用対象事業者は、その職場における従業員に与えられた健康プログラムの一環として、病歴の提示を含む任意参加の医学的検査を行うことができる。適用対象事業者は、職務に関連した機能を遂行する従業員の能力についての調査を行うことができる。
(C) 要件   従業員の健康状態又は病歴に関して、(B)にもとづいて得られた情報は、(3)の(B)及び(C)の要件に従う。

第103条 抗弁
(a) 原則   障害者を排除するか若しくは排除する傾向のある、又は障害者に対して職務や利益を与えない、資格基準、試験、又は選考基準を適用することが、職務に関連したものであって事業上の必要性に合致しており、本章で必要とされる合理的配慮を行ってもその職務を遂行できないことが証明されれば、本法律のもとでの差別の申立てに対する抗弁となり得る。

(b) 資格基準(Qualification Standards)   「資格基準」には、職場にいる他の者の健康や安全に直接的脅威をもたらさないという要件を含めることができる。

(c) 宗教団体
(1) 原則   本章は、宗教的な法人、協会、教育機関、団体が、その活動の継続に関連した仕事を遂行するために、特定の宗教をもつ者に雇用面で優先性を与えることを禁止しない。

(2) 宗教的教義の義務付け   本章のもとでは、宗教組織は、すべての応募者及び従業員が組織の宗教的教義に従うことを義務付けることができる。

(d) 伝染病及び感染症の一覧
(1) 原則   保健福祉長官は本法の制定後6か月以内に以下を行わなければならない。
(A) 食品を取り扱うことにより伝染する可能性のあるすべての伝染病及び感染症を再調査する。
(B) 食品を取り扱うことにより伝染する可能性のある伝染病及び感染症のリストを公表する。
(C) これらの病気が伝染する経路を公表する。
(D) 病気のリスト及び伝染経路に関する情報を広く一般に広める。
 これらのリストは毎年更新されなければならない。

(2) 適用   個人が、食品を取り扱うことにより他に伝染するような、(1)のもとで保健福祉長官が作成したリストに含まれる伝染病又は感染症にかかっており、合理的配慮によってもそれを除くことができない場合には、適用対象事業者はこの者を食品取扱いを含む職務に採用するか又は雇用を継続することを拒否することができる。

(3) 解釈   本法は、合理的配慮によっては除くことができず、保健福祉長官が公表した伝染病又は感染症及び伝染経路のリストにあげられている、他人の健康又は安全への著しいリスクを及ぼす者から公衆衛生を守るために、食品取扱いに適用される州、郡、地域の法律、命令、規則に、優先、改正又は修正を加えるものと解釈されてはならない。

第104条 薬物の不法使用及びアルコール
(a) 適格障害者   本章の目的においては、「適格障害者」という用語には、現在薬物を不法使用している従業員や応募者は、適用対象事業者がその使用を理由として行動する場合は、含まれないものとする。

(b) 解釈の原則   (a)は以下の者を適格障害者から除外すると解釈されてはならない。
(1) 監督下における薬物リハビリプログラムを成功して修了し、もはや薬物の不法使用を行っていない者、又はその他の方法で回復に成功し、もはや不法使用を行っていない者。
 
(2) 監督下におけるリハビリプログラムに参加しており、もはや不法使用を行っていない者。又は
 
(3) 不法使用を行っていると誤解されたが、使用していない者。
 ただし、適用対象事業者が、(1)(2)に掲げられた者がもはや薬物の不法使用を行っていないことを確認するために、薬物検査その他を含む合理的方策又は手続を採用又は実施することは本法違反にならない。

(c) 適用対象事業者の権限   適用対象事業者は、
(1) 職場での薬物の不法使用やアルコール飲用をすべての従業員に禁止することができる。

(2) 従業員が職場でアルコールの影響下や薬物の不法使用の状態にないことを義務付けることができる。

(3) 従業員が1988年職場薬物排除法(Drug-Free Workplace of 1988)(41U.S.C.701)のもとで定められている要件に従って行動することを義務付けることができる。

(4) 満足のいかない職務遂行や行動が薬物使用やアルコール中毒に関係している場合であっても、薬物使用者又はアルコール中毒者である従業員を、その他の従業員に適用されるものと同じ雇用、職務遂行及び行動に関する資格基準に従わせることができる。

(5) アルコールと薬物の不法使用に関係する連邦の規則に関連し、以下を義務付けることができる。
(A) 適用対象事業者の従業員が国防総省の規則に従う業種に雇用されている場合、従業員は国防総省の当該規則に従うこと。当該業種の機密を扱う職務に適用される規則があれば、その職務(国防総省の規則に定められているもの)に雇用されている従業員がその規則に従うことを含む。
(B) 適用対象事業者の従業員が原子力規制委員会の規則に従う業種に雇用されている場合、従業員は原子力規制委員会の当該規則に従うこと。当該業種の機密を扱う職務に適用される規則があれば、その職務(原子力規制委員会の規則に定められているもの)に雇用されている従業員がかかる規則に従うことを含む。
(C) 適用対象事業者の従業員が運輸省の規則に従う業種に雇用されている場合、従業員は運輸省の当該規則に従うこと。当該業種の機密を扱う職務に適用される規則があれば、その職務(運輸省の規則に定められているもの)に雇用されている従業員がかかる規則に従うことを含む。

(d) 薬物検査
(1) 原則   本章のもとでは、薬物の不法使用の有無を判定するための検査は医学的検査とはみなされない。

(2) 解釈   本章中のいかなる語句も、応募者又は従業員に薬物検査を実施することや、かかる検査の結果にもとづいて雇用決定を行うことを奨励、禁止、許可するものと解釈されてはならない。

(e) 運輸関係従業員   本章中のいかなる語句も、運輸省管轄下の事業者による下記の合法的行為を奨励、禁止、許可するものと解釈されてはならない。
(1) 安全、機密を要する任務を持つ地位の従業員又は応募者に、薬物の不法使用又はアルコールが勤務に支障を来しているかの検査をすること。及び

(2) (1)に従った薬物の不法使用又はアルコールが勤務に支障を来しているかの検査で陽性の結果がでた者を(c)の要件を満たす任務から外すこと。

第105条 告知の掲示  
 本章の適用対象であるあらゆる事業主、職業紹介機関、労働組合、労使合同委員会は、本法律の当該規定について述べた告知を、1964年公民権法第711 条(42U.S.C.2000e-10) で規定された方法で、応募者、従業員及びすべてのメンバーにアクセス可能なフォーマットで掲示しなければならない。

第106条 施行規則  
 本法律の制定日から1年以内に、委員会は合衆国法律集(United States Code)第5編第5章IIに従って本章を実施するための施行規則を、アクセス可能なフォーマットで公布する。

第107条 施行
(a) 権限、救済及び手続   1964年公民権法第705条、第706条、第707条、第709条、第710条 (42U.S.C.2000e-4、2000e-5、2000e-6、2000e-8、2000e-9)に記された権限、救済及び手続は、雇用に関する本法律の規定又は第106条のもとで公布される規則に違反した障害に基づく差別を申し立てる委員会、司法長官、又は個人に関する権限、救済及び手続と同様である。

(b) 調整   本章及び1973年リハビリテーション法の下での雇用差別を申し立てる権限を持つ行政機関は、本章及び1973年リハビリテーション法の下で提起される行政上の申立てが業務の重複とならず、また、本章及び1973年リハビリテーション法の下での同じ要求に対し一貫性を欠いたり矛盾する基準を課すことがないような方法で取り扱われるよう、手続を整備しなければならない。委員会、司法長官及び連邦契約承認計画局は、本章とリハビリテーション法の条件を満たすこのような調整機構(委員会と司法長官により公表された連邦行政命令集「Code of Federal Regulations」第28編第42部及び第29編第1691部についての共同規則に含まれる規定、及び委員会と連邦契約承認計画局との間で1981 年1月16日に結ばれた覚書(46Fed Reg 7435 1981年1月23日)に類するもの)を、本法の制定日後18か月以内に制定しなければならない。

第108条 施行期日
 本章は制定日から24か月後に施行する。  

出典 http://members.jcom.home.ne.jp/wheel-net/america.htmから抜粋・編集

 


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