国連総会決議37/53 一九八二年一二月三日
国連総会は、
1981年を国際障害者年と宣言した1976年12月16日の決議31/123、国際障害者年に対する諮問委員会を設置した1977年12月6日の決議32/133、1978年12月20日の決議33/170、とりわけ、国際障害者年のテーマを「完全参加と平等」に拡大することを決定した1979年12月17日の決議34/158、1980年12月13日の決議35/133、1981年12月8日の決議36/77、障害者に関する世界行動計画{47)}を採択した1982年12月3日の決議37/52を想起し、
国際障害者年が、社会生活や社会の発展に障害者が完全に参加すること、また、周囲の市民と同等の生活状態を享受することの権
利が地域社会に受け入れられたことに貢献したことを認識し、
国際障害者年が、あらゆるレベルでの予防とリハビリテーションと同じく、障害者に対する機会均等化に関連する活動に真正の、また有意義な推進力を与えたことを確信し、
国際障害者年に対する諮問委員会の活動、とりわけ、障害者に関する世界行動計画の形成への貢献に感謝の念を表明し、
障害者の状態や福祉、障害者やその団体が彼らに関するあらゆる問題に積極的に関与することの改善に、加盟各国が国際障害者年の間になした努力に満足の意を表明し、
また、国連システムの専門機関、他の機関や組織、非政府組織、とりわけ障害者団体によってとられた率先性に満足の意を表明し、
世界のあらゆる地域における障害者団体の出現と、そのことが障害をもつ人びとのイメージや状態に及ぼしたプラスの影響に勇気づけられ、
開発途上国において、障害を予防する努力が強化されるべきであり、また、障害者に対するリハビリテーションの基準が可能な限り高く設定されるべきであ
ることを強調した、障害予防とリハビリテーションにおける開発途上国間の技術協力と技術援助に関する専門家の世界シンポジウム{45)}によって採択されたウィーン確認行動プランを感謝の念をもって検討し、
リハビリテーション要員養成ならびに、地域で利用可能な資源を使用する義肢や補装具の生産に地域および下部地域レベルでのさらに効果的な技術協力の必要性を強調し、さらにまた、こうしたサービス開発のための国内計画の練り上げに、地域間での経験の交換の必要性を強調している地域委員会によって国際障害者年のために組織された会議の結果に留意し、
障害の予防、リハビリテーションおよび、障害者の完全参加と平等という目標の実現に対する効果的手段を推進する主たる責任は個々の国にあ
り、また、この点に関し国際的協力がきわめて望ましく、さらに、それが国としての努力を支援したり支持することに向けられなければならないことを強調し、
国内計画に加え、世界行動計画の効果的実施が国連システムの機関や組織、非政府組織や障害者団体による国際レベルでの活動によって支援されるであ
ろうことを信じ、
かかる活動が現時点では財政的に困難であろうこと、および、国連システム内で現在の予算を再配分することにあ
らゆる努力が払われなければならないことを認識し、
1 事務総長に、障害者に関する世界行動計画の早期実施を、計画の幅広い配布と宣伝で支援することを要請し;
2 加盟各国に、予防とリハビリテーションと同じく、障害者の機会均等化に関連するプランを作成し、それによって障害者に関する世界行動計画の早期実施を保障することを要請し;
3 国連システムのあらゆる機関や組織に、障害者に関する世界行動計画の早期実施を保障するため、現存する資源の再配分を通じ、その能力の範囲内で諸手段を形成し着手することを要請し、さらに、地域委員会に、さまざまな団体間の効果的協議と調整が不可欠であ
ることを理解した上で、適切な計画を実施することを要請し;
4 事務総長に、予防、リハビリテーション、および機会均等化の分野において、開発途上国、地域での国内・地域活動を支持するために機関間の調整をおこなうため、現存の制度内で国連総会決議36/77の第17項に組み込まれた支援サービスを実施するため、国際障害者年に対する諮問委員会がその第3会期と第4会期で勧告した{48)}組織間特 別委員会を設置するよう要請し;
5 事務局の社会開発・人道問題センターに、国際障害者年の追跡を保障することと、また、障害者に関する世界行動計画の実施を促進することを可能にするのに必要な資源を提供する方法を見出すよう、事務総長を励まし;
6 事務総長に、障害の予防、リハビリテーションおよび障害者の機会均等化に対する国内計画の構想に関し、加盟各国への協議サービスを継続すること、また、加盟各国政府との話し合い協議によって、障害者の機会均等化を扱う実際的なチェックリストを作成すること、さらに、障害の予防、リハビリテーションならびに機会均等化について開発 途上国を援助する、利用可能な技術的・財政的資源に関する情報を収集し、広布することを要請し;
7 事務総長に、障害者団体に関し、障害者に対する計画内の諸活動に適切な優先性を与え続けることをさらに要請し;
8 国連システムのあらゆる機関や組織に、あらゆるレベルでこれらの機関等の内で、障害者に対する雇用機会を改善するための新しい手段をとったり、すでに着手されている手段を促進すること、また、それらの建造物や施設、情報源へのアクセスを改善することを再度求め、さらに事務総長に、第39回国連総会にこれらの手段に関する報告の提出を要請し;
9 事務総長が各国政府と協議の上、障害者に関する世界行動計画の実施において、各政府の要請に応じ、各政府を援助する目的のため、国際障害者年に対する信託基金を継続する必要性と可能性を検討すること、ならびに、第38回国連総会にそれに関し報告を提案することを要請し;
10 障害者に対する国内政策や計画を立案するさい、その要請により、開発途上国の政府を援助するよう、そうする立場にあ
るあらゆる政府、国連開発計画およびあらゆる関連する国連機関・組織に要請し;
11 国連システムは、現在以上の資源をこの目的のために必要としないであろうことを理解した上で、長期プランとして1983年から1992年を国連障害者の10年(United
Nations Decade of Disabled Persons)と宣言し、また加盟各国に、この期間を障害者に関する世界行動計画を実施する手段の一つとして活用することを勧め;
12 各政府に、国内障害者デーを宣言することを勧め;
13 国際組織や基金団体に、人的資源の開発とりわけ予防とリハビリテーション分野における要員養成活動および、障害者の機会均等化と参加を高めることに高い優先性を与えるよう求め;
14 国連システムの諸組織に、国際青年年(International Youth Year)に関する活動およびそれらが主催する国際・地域会議や会合において、障害者のニーズを認識するよう要請し;
15 国際障害者年の経験に照らし、WHOが障害者団体や他の適切な団体と協議し、インペアメント、ディスアビリティおよびハンディキャップの定義をレヴューすることを要請し;
16 事務総長に、総会決議37/52の第3項に規定されている、第42回総会で障害者に関する世界行動計画の実施を評価するのを事務総長が助力するのを可能にさせる報告書を準備するため、主として障害者から構成される専門家会議を1987年に開催する可能性を探ることを要請し;
17 事務総長に、障害者に関する世界行動計画の実施に関し、第39回総会に報告するよう要請する。
出典 http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/intl/un/unpwd/po56po91.html#082
ホーム
|| 条約 || 検索サイト
|| リンク