国連総会は、
1981年を国際障害者年と宣言した1976年12月16日の決議31/123を想起し、
また、国際障害者年に対する諮問委員会を設置した1977年12月16日の決議32/133、1978年12月20日の決議33/170、国際障害者年のテーマを「完全参加と平等」へと拡大することを決定した1979年12月17日の決議34/154、さらに1980年12月13日の決議35/133を想起し、
およそ5億の人がある形態もしくは他の形態の障害をもっていると推定され、うち約4億の人が開発途上国にいると推定されていることに深刻な懸念を示し、
社会的・経済的開発からもたらされる生活状態の改善を等しく分かちあえると同じく、障害者が社会生活や彼らが生活する社会の発展に、また、他の市民と同等の生活状態を享受することに完全に参加するという、障害者の権利の実現を促進する持続的必要性を繰り返し表明し、
国際障害者年の行事が、これら諸目的の達成に貢献していることを認識し、
また、多数の障害者が戦争や他の形の暴力の犠牲者であり、また、国際障害者年は世界平和に対する各国間の持続的および強化された協力の必要性を再認識することに貢献していることを認識し、
国際障害者年中に国際社会によってなされた諸活動が、障害者年の諸目的の達成に向けての不可欠な第一歩であることを信じ、
国際障害者年の諸活動によって生み出された時宜を得た重要な推進力が、あらゆるレベルでの適切な追跡によって維持され、また、強化されなければならないことを確信し、
障害者の諸状態や福祉を改善するため、国際障害者年の間になされた加盟各国の努力に留意し、
1981年10月12日から23日にかけてオーストリアのウィーンで開催された、「障害予防とリハビリテーションにおける開発途上国間の技術協力と技術援助に関する専門家の世界シンポジウム」{75)}に満足の念を表明し、
また、国際障害者年の間にユネスコによって組織された、1981年11月2日から7日までスペインのトレモリノスで開かれた「教育・予防・統合に対する行動と方略に関する世界会議」{76)}に満足の意を表明し、
障害者に関する世界行動計画{77)}を練り上げるためになされた進歩に感謝の念をもって留意し、
総会の決議35/133の実施に関する事務総長の報告{78)}を考慮し、
また、国際障害者年に対する諮問委員会第三会期の報告{79)}を考慮し、
1.国際障害者年の諸目的を実施するため国内政策や計画を練り上げたあらゆる加盟各国に満足の意を表明し;
2.国際障害者年の間に国連の諸組織および関連する非政府組織によってなされた諸活動に留意し;
3.国際障害者年の結果を基に、障害の予防、リハビリテーション、社会への障害者の完全な統合を強固なものとし、さらに発展させ、また、この点に関し、障害者年のために設置した国内委員会もしくは類似の組織の維持をはかるため、加盟各国にあらゆる努力を傾けることを求め;
4.さらにまた、加盟各国に、国際障害者年に対する行動プランの実施に関し、事務総長に報告を提出することを請い、また、とりわけ各国がその経験を基にし、障害分野における国内長期行動計画の練り上げをおこなうことを請い;
5.加盟各国、国際組織や関連する非政府組織からの、第37回国連総会での採択への見解を含めたコメントを参考にし、「障害者に関する世界行動計画」案を最終的にまとめ上げるための、国際障害者年諮問委員会の会合を1982年に開くことを事務総長に要請し;
6.諮問委員会に、その第4会期に1983年から1992年の期間を「国連障害者の10年」と宣言することの妥当性を審議し、その見解を第37回国連総会に提出することを要請し;
7.諮問委員会に、障害者の国際旅行を促進する目的で、任意の障害者用国際身元証明書を作成する可能性の検討を要請し;
8.事務総長に、国際障害者年の好ましい追跡を保障するのに必要な手段をとること、とりわけ、障害者に関する世界行動計画の最終的取りまとめをすることを求め;
9.また、事務総長と国連の専門機関や他の関連組織の責任者に、障害者に関連する諸活動への必要な協力と調整を保障することを要請し;
10.さらに、地域委員会に、障害の予防とリハビリテーションと同じく、障害者の機会均等化に関する地域プログラムの形成と実施に高い優先性を与えるよう要請し、また、国連内の専門機関や関連機関に、こうした計画の実施を続行することを求め;
11.関連する非政府組織に、国際障害者年によって与えられた推進力を維持するため、障害者に関連する計画を持続し、また拡大することを求め;
12.国際障害者年のための国連信託基金への政府や私人によってなされた貢献を歓迎し、また、障害者年の追跡を促進するであろう任意拠出による貢献がさらになされることを訴え;
13.事務総長に、障害者団体の強化を含め、国際障害者年に関連する開発途上国での活動を支持し、強化するため、任意拠出による貢献の適切な割合を使用するよう要求し;
14.事務総長、専門機関、他の国連組織に、これら組織があらゆるレベルで障害者の雇用機会を改善するため、また、それらの建物や施設、情報源へのアクセスを改善するため、すでに進行中の手段に着手するなり促進することを求め;
15.加盟各国に、障害の予防と障害者のリハビリテーションに関する技術や研究結果の移転、情報の交換を通して、開発先進国と開発途上国との間に密接で効果的な協力を促進することを求め;
16.また、事務総長と専門機関の責任者に、とりわけ障害の予防、リハビリテーション、社会への障害者の統合に関し、継承されてきている能力や可能性の開発や強化の必要性を特に強調しながら、障害者に関し開発途上国における技術協力活動を強化し、拡大するのに必要なあらゆる手段をとるよう要求し;
17.開発途上国における予防、リハビリテーションおよび機会均等化の分野での技術協力の発展のための他の活動と同じく、技術情報の交換や技術とノウハウの移転のための支援サービスを強化することの重要性を強調し、また、この方向での寄与をしたいというユーゴスラビア政府の申し出{80)}に感謝の念をもって留意し;
18.加盟各国、国連内の機関が、関連する政府組織や非政府組織、マスメディアと同じく、社会開発・人道問題センターが障害者に関連する問題が増大してきていることを認識しながら国内委員会に対しおこなっている現在の情報活動の継続を含め、広報計画の実施継承を優先的に取り組むよう求め;
19.第37回国連総会の暫定議題に「障害者に関する世界行動計画(World Programme of Action concerning Disabled Persons)」という項目を含めることを決定し、また、本決議の実施に関し、第37回総会に報告するよう事務総長に要請する。